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お仏壇の価格の違い


朝晩は冷え込む日が多くなってきました。あの夏の激暑がうそのようです。

今回はお仏壇の価格についてお話させて頂きます。

「お仏壇」には様々な大きさがあり、色々な素材が使用されています。

見た目には同じように見え、大きさも同じようなお仏壇でも価格は様々です。

どんな違いで価格が変わるのかな?と思っていらっしゃる方も多いと思います。 小売業者さんごとの値引き率に差がある事もありますが、やはり、目には見えない材質や工法の違いや手作り品であるのか、工場での大量生産品であるのかなどが大きな価格差となっています。 自然そのままの無垢材・化粧合板・集成材・圧縮ボードの他にもビニールや紙に木目を転写して作る塩化ビニールシートなども使われています。

【お仏壇の素材】

□圧縮ボード・塩化ビニール 一番安価なものは、圧縮ボードに塩化ビニールシートを張ったものですが、圧縮ボードと言っても、建築材料として耐水・耐火性のあるものではなく普通の紙を圧縮したものを使用することもあり、衝撃や水に弱く修復再生ができないため、お仏壇としての寿命は短くなってしまいます。見た目は綺麗で価格も安く、木材特有の「狂い(乾燥による反りやねじれ)」が少ないので棚部分などに使用するのは良いかもしれませんが、「○○調(黒檀調・紫檀調)」と表記されているお仏壇はこの圧縮ボードでつくられていることが多いため、長くお祀りすることを考えると注意が必要です。

□集積材 小さな木片を組み合わせて作られる集成材を使用したお仏壇は、一本の無垢材を使用するより「狂い」が少ないことが長所です。白檀など歩留まりが悪い高級材はこの工法で加工されることが多くなります。木片を組み合わせるため手間がかかり、ボードや合板より価格は高くなります。

□化粧合板 化粧合板は、建築材料や家具・お仏壇などに幅広く使われています。ベニヤ板の表面に突板(厚さ0.2mm位にスライスした原木)や木目をプリントしたものを貼り付けた材料です。ベニヤ板がベースになるため圧縮ボードよりは頑丈で、突板を使用すると色あせしない事が長所ですが、彫刻などができないといった短所があります。

□無垢材

無垢材で作られたお仏壇は、温かみや自然の作り出すうるおいがあり、お仏壇がもつべき高級感や風格を醸し出してくれます。木材ですので、割れや狂いが全くないとは言い切れませんので、加工には注意が必要です。

【お仏壇の工法】

工法にも9種類ほどあります。

一番安価なものが、圧縮ボードや木目印刷シートを使用し大量販売を目的に作られた「流通品」です。次に「芯材のみ工法」=「普通品」は3級程度の洋材と合板やボードを組み合わせて使います。「流通品」と「普通品」は「紫檀調・黒檀調」などと表示がされているので、「○○調」と書かれている場合はこのどちらかの工法だと考えることができます。

この上のランクになると、ベース(芯)材にボードではなく木材を使用します。

「突板張工法」=「1級品」では、第2級程度の木材を芯材とし、突板を表面に張って作ります。 「前練り工法」=「上等品」とは、厚さ5mm程度に加工した無垢材を、木材の表面に絶対に剥がれることがないように練り付けた工法です。芯材の前面のみに張ります。前面と背面の2面に練り付けた物は「二方練り工法」=「別上品」と呼ばれます。さらに前面と側面に練りり付けた「三方練り工法」=「特上品」前面、背面、側面に練り付けた「四方練り工法」=「高級品」と呼びます。

この上に「総無垢工法」=「極上品」がありますが、無垢材の中でも1級品の素材に1級の塗装尚且つ最高の技術で作られた仏壇でなければならないと言う条件があります。 そして、「総練り工法」=「特別極上品」が最上位になります。天井・裏板・羽目板などのすべてが第1級の素材である事と芯材も1級でなくてはならず、6方向の総てが練ってある特別な工法です。 これらに加えて、宝石や白檀などの最高級の素材を組み合わせて使用する事によりグレードがかわります。

このように、唐木仏壇(木目をそのまま生かしたお仏壇)では、ここまでにご説明した材質や工法により、価格に大きな違いが生じます。

お仏壇をご購入いただく際は、お祀りいただく期間の長さもご考慮いただき、お値段やぱっと見た目だけではなく、工法や材質にも興味をもってご検討いただけたらと思います。

また、日本には唐木仏壇の他に金仏壇があります。主に浄土真宗の方に金仏壇が選ばれているのですが、その価格の違いは、唐木仏壇と同様に材料のランクと工法以外に、使われている金箔の質と量、塗られた漆の厚さや細工によって変わってきます。(金箔の厚さには一枚掛、二枚掛、三枚掛とあり、三枚掛が最も高価となっています。)金仏壇には「京都壇」「名古屋壇」「金沢壇」などの名称が付けられていますが、これは作られた産地名がそのままついています。

最近では、お仏壇も海外で造らることが多くなっています。海外品の場合は素材などの詳細が不明な点も多いので、材質や産地にこだわりのある方は特にご購入の際にしっかり確認されることをおすすめします。

仏壇の価格の違い

工法や材料など、専門的で分かりづらいお仏壇の価格ですが、今回の記事が、ほとけさまやご先祖様をお祀りするのにふさわしいお仏壇をご検討いただく参考になれば幸いです。

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