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終の棲家:迷い ~うさぎさんの終活日記~


修善寺へ移り住む事はあきらめたのですが、静岡に住んでいる友人が名古屋へ遊びに来るたびに、夏は「名古屋は暑いね〜」と言い、冬は「寒いね〜」と言っていましたので、年間の気温を県別のデータで調べてみました。静岡市は愛知県よりも冬の平均気温は少し高く、夏の平均気温は少し低くなっていました。

2〜3度の事ですが、大きな違いのように思いました。そこで、静岡市内でも良いのかなぁと思い始め新築の建売住宅を調べてみました。1件安い所を見つけたので、友人の顔を見に行きがてら大手住宅メーカーさんの比較的利便性のよい物件を見学させて頂きました。3件並んでいるうちの真ん中でした。価格が安かった理由は海から数百メートルしか離れていない事と間口が狭く3件の共有地を通らないと家に入れない事でした。車は3台停められるスペースがありましたが、公道に直接接していない事と海に近すぎて塩害が心配でした。耐震面は最高レベルでしたが、液状化危険区域が近くそれも気になりました。求めていたリゾート感も当然のことながら全くない場所でしたので、静岡市内に移り住むメリットは利便性が良く友人が近くにいて安心かな・・・くらいでした。

高齢の母がいましたので、やはり母にとっても住みにくい場所はいけないと思いました。

「富士山の見える所」をあきらめれば、他の2つの条件を満たしてくれる所がありそうでしたので、再度ネットで検索三昧の日々を過ごす事1週間、ここならと思える場所をみつけました。修善寺の反対側、伊東市です。たくさんの別荘地があるのですが、伊豆高原駅から5キロ圏内かつ交通や買い物が比較的便利な所はと考え、「伊豆急伊豆高原別荘地」「大室山高原別荘地」の二つに絞り3件の地元不動産やさんにお声をかけ見学をさせて頂きました。今回は母を連れて、実際の街並みを見てもらうことにしました。実際の生活音や周りの環境を体験してもらえるようにホテルではなく、貸別荘を選びました。もしも母に伊豆での暮らしが無理だと言われれば諦めざるを得ないと思っていました。

1泊2日で現地を案内して頂きましたが、母の口からはマイナスの言葉しか聞こえて来ませんでした。今の家より狭い・古い・不便・坂道が多すぎる・・・などなど。覚悟はしていましたが、予め説明はしていましたが、案内をして下さっている不動産やさんには申し訳ないような気持になりました。こちらの要望はキチンと伝える必要はありますが、最初からわかっていて見学しているわけですからどうしたものかと主人とイライラ半分ため息半分と言う感じで見学を終え、家に帰る途中「どんな感じ?住めそう?」と母に聞いたところ「まだ迷っている」と答えが返ってきました。私や主人には「NO」と聞こえたのですが。  

伊豆高原近くは一昔前にドラマでよくロケ地になっていた城ケ崎海岸や大室山、シャボテン公園、美術館、温泉や桜並木などで有名な観光地が点在しています。「田舎暮らし」とはまた違うのかなと思います。

確かに、今住んでいる名古屋市内の住宅地に比べれば「田舎」で「不便」と言われてもしかたありませんが私にとってはそれに優る、ゆる~く田舎で見どころは満載、ワンコ達とお散歩するには最適な場所です。

それでも、老人ホームや隣の区に住んでいる妹の近くで一人暮しも嫌だと言っている母を置いて引っ越すわけにもいきませんので、私と主人はほぼほぼあきらめムードが漂っていました。

私は女2人姉妹なので、37年前、主人は婿養子に入ってくれました。母に対して気遣いをしてくれている事はよくわかっています。感謝もしています。義父や義兄にも遠く離れて住む事になると今までの様にお手伝いには行けませんし、特に義父には寂しい思いをさせてしまいます。主人の仕事のこともありとても迷いました。

手元供養のRinne

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